この記事でわかること
- 総合的な探究の時間の「課題の設定」の手順がわかる
- 課題の例の調べ方がわかる
1枚にまとめました。
課題の設定の流れとポイントを一枚にまとめました。
この記事では主にここに書かれていることを詳しく解説していきます。
校内研修や生徒への配布など良識の範囲内でご自由にお使いください。
それでは、詳しく見ていきましょう。
手順① イメージマップで視野を広げよう
まずはいきなり「問い」を設定するのではなく、何について探究するのかを決定しましょう。
流れは以下の通り
- 取り組みたいテーマを「キーワード」で出す
- キーワードをイメージマップで広げる
- 出てきたものの中から探究したい順にランキング付けする
最初はイメージマップで広げる際に、つまずく生徒も多いです。
「質より量だよ」、「どんなことでもいいよ」、「正解なんてないよ」
といった声かけで消極的な生徒を後押しが必要です。
また、どうしても視野が狭まってしまって、広げられないという生徒も多く見受けられます。
そんな時に、以下の方法で広げてみるのも効果的です。
- NDCを見る
- 大学のパンフレットを見る
そもそもNDCとは日本の図書館の分類番号です。東京都立図書館のサイトで説明されているのでこちらからご覧ください。
これらを見て、どう活用するのかというと、
「それぞれの分野から「キーワード」を見ると、どんな研究ができるかな?」
と考えてみるんです。
例えば、「スマホ」というキーワードでも「歴史」の分野から見ると、「過去の情報伝達手段」や「スマホの発展と社会の発展」、また「自然科学」の「医学」の分野から見てみると、「スマホ依存症」、「遠隔診療」といった具合に視野を広げていくことができます。
個人的には、高校生・学生ならではの視点も大切にしてほしいと考えています。
通学路で気になっていること、学校で気になっていること、社会で若者が困っていることなどなど、取り上げられていない(気づかれていない)課題が見つけられて、問題提起ができると楽しいですよね。
手順② リサーチクエスチョンをつくる
視野を広げて、キーワードがある程度出てきたら、それらを整理して、「問い」(リサーチクエスチョン)を立てていきます。
いきなり問いを立てるのはハードルが高いので、まずは先行研究を見てみることから始めていきましょう。
問いを立てる流れは以下の通りです。
- 先行研究の「問い」を見てみる
- 5W1Hで問いを立ててみる
- 問いをチェックする
先行研究を見てみる
先行研究を調べる際は、こちらの記事が参考になるかと思います。
特に、ベネッセのみんなの探究ライブラリはおすすめです。
どうしても高校生の課題探究事例が載ったサイトはまだ十分にないので、このベネッセのサイトのような高校生が研究を発表できる場がもっともっとほしいですね。
「問い」が適当かを考えよう
最低限守ってほしい3つに絞って、「問い」のチェックリストを作りました。
疑問文になっていない問いや調べればすぐ答えが出てくるような問いだと、探究ではなく「調べ学習」になってしまいがちです。もちろん、生徒のレベルに応じてあえて、まずは「調べ学習」をするのもいいと思いますが…。
そして、問いが広すぎる場合は、探究内容が深まらないことが多々あります。逆に、狭すぎると資料がなかったり、検証する余地がなかったりするのですが、程よく研究課題を狭めることは必要です。